フォアグラの歴史をたどると、紀元前までさかのぼります。 紀元前2千500年前のエジプトのフレスコ画に、ガチョウの飼い方、餌の“詰め方”が描かれているのです。 なんと、その“詰め方”が現在フランスの有名なフォアグラの産地、ペリゴール地方の方法と似ているそうです。 皆さんも、フォアグラはガチョウ、あるいは鴨に無理やり餌を食べさせての産物だということはご存知だと思います。 時代を追って、フォアグラを調べてみました。 *ローマ時代 ガチョウの飼い方について“彼女には運動をさせず、暗い暑いところに閉じ込めておくのが一番いい”という言葉が残っています。 餌はイチジク(フィカトゥム)。肥大肝臓はイチジクのキモ(イエクール・フィカトゥム)と言い、イチジク(フィトカゥム)から、フォアという言葉が出ました。 *ルネッサンス 当時の王様たちは、ガチョウを保護し、フォアグラ産業が定着しました。 *19世紀〜20世紀 様々な飼育方の記録があります。 「目をつぶしたガチョウを板に貼り付け、足と羽を釘で留め、 クルミを無理やり食べさせて、ないてもわめいても水を与えなかった」 「ガチョウが動けないくらいの大きさのカメに入れた。そのカメには餌を与える穴と排泄用の穴しかなかった。」なんとも残酷です。 飼育法に試行を凝らしたのは、当時もフォアグラが高価なものだったと言う事でしょう。 次に“餌を無理矢理食べさせる係”が登場します。 男ならガヴール、女ならガヴーズと呼ばれました。 しゃがんで股の間に頭だけを出させ、じょうごをのどの奥深く差し込み、木の棒で餌(とうもろこし)を押し込みます。 その間約6分。のどをさすったり、話し掛けたり、愛情を持つか持たぬかでフォアグラの質が決まったと言います。 その後、自動“無理矢理食べさせ機”が出来、現在はさらに電動式に変わり、所要時間は40秒です。 *現在の飼育方 食べさせた餌が全部脂肪に変わるように、6〜7ヶ月の雛を選ぶ。 普通食から集中食に切り替える。 とうもろこしや荒い小麦粉をたくさん食べさせ、また水をたくさん飲ませることによって胃袋を頑丈にする。 この集中食15日間(準備訓練期間)に、何割かのガチョウが落伍したり死んだりしてしまうそうです。 フォアグラが高価な理由の1つでもあります。 ここから本格的に無理矢理食べさせて6週間。 太っておなかが大きく垂れ下がり、ほとんど歩けなくなったところで、ガチョウの命は終わり、フォアグラが完成します。 ガチョウの生涯は、1年にも満たらないのです。 無理矢理食べさせる事の目的は、本来なら80〜100gの肝臓を600〜800g、10倍近くにまで肥大させる事にあります。 ガチョウの生涯を哀れみつつも、されどフォアグラ。 美味しさには逆らえません。 皆さんはどうでしょうか ?
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