家禽の女王・王様の家禽!! ブレス鶏 VOLAILLE DE BRESSE

高価なワインのようにA.O.C.(原産地名規制呼称)の恩恵を受けるのは、フランスで、ヨーロッパでそして世界中でも唯一です。このA.O.C.についての法律は、とても明確に地域、品種そして飼育条件を定義して、この " ブレスの家禽 " の資格を与えています。
ブレスでは家禽では冗談を言わない、というのは本当です。「いいものを作る(生産条件の尊重)、そして知らしめる(この良質な製品のプロモーションによって)。他との違いを味わって、この素晴らしさを賞味する」これが私たちのモットーです!!!
この第4のガストロノミーの傑作として、ブレスの家禽は料理界で、ブレスの家禽なしに素晴らしいメニューは存在しない、というその独自の地位を築いています。実際、品質面では絶妙な柔らかさの肥育鶏、比類のない鶏、そしてクリスマスの食卓の王である世界唯一のシャポン・・・これらを味わい、鑑賞しない手はありません。
「ブレス鶏の生産と商品化に関する政令」
- ブレス鶏の特定化。
- 呼称地区で営業している人工孵化業者のみが、ブレスのヒヨコを商品化できる。その取引の際にヒヨコの数を記した売却証明書の交付義務。
- 放し飼いの期間を最低63日とし、仕上げは8〜15日間ケージの中で行う。また、爪をはがすことと嘴を取ることの禁止。爪をつぶすことは良しとする.
- 仕上げ時に穀類、全乳または無脂乳の投与。
- 生産者はブレスと名付けられる以外のガリュス種を飼育してはいけない。
- 屠畜前3週間の薬の投与を一切禁止。
- 群れで飼育する場合、成長期の雛の数が500羽を越えてはいけない。
- 引渡し時点で最低1.5kgあるもので、左足に識別章をはめてあること。
- ブレスの鶏の特徴を備えた品質保証の封印を押したもの

放し飼いのブレス鶏
◆ブレスA.O.C.ゾーン
世界の養禽場、ブレスは、たとえそれが3,536kmに渡り3つの県 : 南にアン県、北にはソーヌ=エ=ロワール県また東端にはジュラ県、にまたがっていても、その存在は1つです。
この県レベルで行政的に分けられた地は、ローヌ=アルプ、ブルゴーニュ、そしてフランシュ=コンテの3つの地方に分かれた地域でもあります。
しかしブレスの " A.O.C. "は1つであり、1957年8月1日の法律によってその境界が定められ、時の大統領ルネ・コティに調印され、ブレスの家禽は " 原産地名規制呼称(A.O.C.)の恩恵を受ける唯一の家禽 "となったのです。
それでもここに至るにはまず、1936年まで遡らなければなりません。この年、世紀を経てその品質を守ってきた飼育者たちは " 掃除をする "ことにしたのです。
ブールの裁判所と専門家がその要請を受けました:その審査はブレスの土壌についての地質学的な分析、飼育の工程、 " 交配のない純血種 " という限定についてのものでした。
こうして、長くて気の遠くなるような闘いの後、「あるA.O.C.とは、変わらぬ伝統的な慣例、先祖代々の知識と習慣、テロワールなど、そのノウハウについての具体的な価値体系に基づき " 農民 "自身によって獲得されるものである」という1936年12月22日の判決により最終的に確定されました。
◆ブレスの家禽の見分け方
注意!!ブレスで生産された家禽は必ずしもブレスの家禽ではありません!!
ブレスの地で育てられた、ブレスの家禽は簡単に見分けがつきます。その色(95年1月4日の政令第2条)とその身分証明(本物であることを示す特徴によって
−同政令第11条):
- 全身の白い羽、滑らかな細い脚の青、そして赤い鶏冠・・・その膚と肉は白いのです
- 左脚にはめられた生産者の氏名および住所が記された脚かん、首の下には加工者の氏名もしくは社名、そしてブレス家禽協会によるA.O.Cのラベル、シャポンと肥育鶏の場合には専用の刻印があります
これらの身分証明をすべて持たなければ、いかなる家禽も<ブレス>の呼称を持って販売されることはできません
◆飼育条件
ここには科学はなく、すべてが経験と伝統に基づいています!
ブレスの家禽の飼育は、入念で手間のかかる仕事を必要とするものです。

放し飼いのブレス鶏
- 草地(放鶏場)
1.1羽につき10uの面積
2." 衛星上の空白 "と呼ばれる休息期間をおいた地での、最大500羽の飼育単位
3.最大50uの鶏舎
4.最低5000uの草地面積
そして、最低生後35日目から、飼育者は鶏に穀物(とうもろこしと小麦)と乳製品を与えます。草地で育てられる鶏は、これによって優れた肉体と成熟がもたらされ、そこで自ら補助的な栄養を探すのです(草、ミミズ、昆虫など)。
- 伏せ篭
仕上げは木製の伏せ篭で行われ、鶏には8〜15日間、シャポンと肥育鶏には最低1ヶ月行われます。
結果として、最低でもその飼育期間は鶏で4ヶ月、肥育鶏で5ヶ月、そしてシャポンでは8ヶ月となります。
◆ブレスの家禽がたどる工程
選抜センター、人工孵化師、飼育者、家禽商、小売商、そしてレストラン業者までが、消費者を満足させる最良の製品を届けるために一連となって仕事をしています。
- 選抜センター ア東ァのサン・テティエンヌ・デュ・ボワに位置し、下記の性質を最もよく組み合わせるべくブレス種の選抜を保証しています:調和の取れた成育、骨格、生育力、環境適応力の強さ、青い脚、白い羽、など。ここでは安全で均一な繁殖用種鶏を生産し、人口孵化師がそれを買い、そこから生まれたひよこがその後飼育者へと売られるのです。
- 人口孵化師(3名) ひよこを孵し、生後1日で飼育者の手へ渡ります。
- 飼育者 今日では約400を数えますが、一方、生産量としては年間150万羽のひよこが飼育されます。飼育者は通常グループに分けられており、このグループ毎に、ブレスの家禽の屠殺加工者の必要に応じた生産計画が立てられ、これが分担されます。
- 家禽商 ブレスの家禽はとても傷つきやすい肌をしており、非常に気を使った屠殺が行われなければなりません。地方によって15ほどの家禽商がおり、ブレスの家禽の屠殺が行われ、その後直接販売または小売商、レストラン業者そして大手流通という間接的な方法を通して販売されます。
◆ブレスの栄光の3日間とは?
これは冬に上げられる花火のような華やかな祭典の日々で、ブレスの人々がその家禽の生産が決して不振になることのないよう固く誓った、その意志によって成功をおさめているものです。
このコンクールの偉大な受賞者にはフランス大統領から、彼らの仕事に費やした時間と愛情と忍耐への報酬として、セーヴル焼きの壷(セーヴル:パリ西郊の町)が授けられます。
1862年以来、この家禽コンクールに参加する飼育者は常に競争意識を持ってきました。例えば、ブールカンブレスのコンクールは現在では2500羽の参加を数え、展示場ホールに丁寧に並べられます。ピンク、青、赤のリボンでその羽を包まれた鶏によってまさにチェーンが形作られますが、その環を成す1羽1羽がブレスのテロワールを表しています。その中でも最も美しいものが、農業従事者、獣医、家禽出荷者、レストラン業者そして美食家として知られる人々から構成される審査員によって評価されます。
この審査会によって、予め決められた非常に明確な審査基準に従って最も美しい対象が選ばれ、それぞれの賞:名誉グランプリ、名誉賞、1、2、3等賞そして選外佳作が授与されます。
この賞が決定するとすぐに販売が始まり、最も美しい鶏を獲得しようと皆が競います。もちろん、買い手も売り手もお互いに心得ています。買い手は、レヴェイヨン(前夜際:クリスマスイヴまたは大晦日)の食卓に、素晴らしい味の口の中でとろけるようなまろやかな身と、皮は加減よくカリッと仕上げた最上の家禽を並べるつもりなのです。
一方、売り手は、長い間の真摯な努力とブレスが誇るその質の高さに見合うだけの最上の値段がつけられることを望んでいます。
2、3時間にわたる売買の後、取引は終わり、その夜すでにすべての鶏は消費者のもとへと出荷されていきます。コンクールは盛大なものとなっています。
町の人々、田舎の人々が皆参加する数日間のお祭りとなり、街中や店にはイルミネーションが灯り、ショーウィンドウは競って飾り付けられ、民族的な催し物や様々なアトラクションが行われます。もちろんガストロノミックな催しもあり、それを楽しみにたくさんの人々が様々な団体によって招かれ、やってきます。
それぞれの催しには当局者や外国の代表団が出席します。ラジオやテレビもやってきて、プレスはリポーターやカメラマンを送り込み、たくさんの記事が書かれます。
それにしても、こんなにローカルで最終的にはごくわずかな人々にしか影響のないイベントを通して、社会生活全般―政治、社会そして田舎生活―を垣間見ることができるのはどうしたことでしょう?コンクールの形式は一見して変わらないように見えます。しかし、その手段は常に向上しているのです!
この催しの絶えない発展の活力は、これが時の破壊作用を受けなかっただけでなく、それを発展させてきたことにあります。伝統的な上質さを保ちながら、その価値を高めるためにすべての近代的な手段を利用することに成功したのです。これだけ長い間成功をおさめたものは他にはごくわずかでしょう。
生産者を奨励する催しとして、わが国の名誉である生産物の1つを促進する催しとして、1年の終わりに開催されるこの家禽のコンクールは存続し、またフランス人がこの家禽を生産しつづけその質を評価しつづける限り続いていくことでしょう。