| 「ファースティング」ってご存じですか? 胃腸を始め内臓器官を初期化して、赤ん坊のときのような状態に戻すことをいいます。なんだかややこしい話に聞こえますが、何を隠そう、ようは「断食」です。先日じつは「ファースティング7泊8日」を伊豆で体験してきました。それにしても「ファースティング」とはよく名付けたもんですよね。「断食」といわれると「修行」という言葉が頭に浮かんできて、どうもヤバイ雰囲気が漂いますが、「ファースティング」といわれると「うん、やってみてもいいかな・・」などと思ってしまうから不思議。
断食中は、想像よりカラダは辛くありませんでした。ただどうしても食べ物が目につき、美味しそうな匂いにも、非常に敏感になってしまいます。テレビをつければ、やたら食事シーンに溢れていることにあらためて気づいてビックリ(一度意識してテレビを観てみてください!)。ふと気がつくと、美味しそうな料理を黙って凝視している自分に気づいたりして・・・。断食仲間とも、ついつい話が「食べ物」のほうに行ってしまいます。
ファースティングの8日間は、人間にとって「食べる」欲望がいかに奥深いかを知る8日間でもありました。
だいたい、断食のためとはいえ伊豆に出かけたわけですから、これだって立派な「旅」。私としては、生まれて初めて「食」の楽しみを一切奪われた旅を経験したことになります。
「そろそろお昼」「今夜は何を食べようか?」この感覚を失った8日間の旅、時間の節目も不明瞭で、最初はどう過ごしていいかわからず戸惑います。
そのうち勝手が分かってくると、今度は今まで「食」に注ぎ込んでいた意識を、自然と他の要素、たとえば「景色」とか「体験」にすべて注ぎ込むようになります。そうするしかありませんからね。おかげで、今までにはない伊豆を感じて帰ってくることができたと思います。
これはこれで貴重な体験だったことは間違いありません。でもそれがいつもじゃあまりに味気ない、旅に出たときに、普段どれだけ「食」が大きな楽しみになっているかを、いやというほど痛感させていただきました。「食事」を大切に思う気持ちも強くなった気がします。
あなたも「食」という大きな楽しみを、あえて排除した旅を一度体験してみてはどう? 旅での食事に大切さが、あらためてわかると思いますよ。 |